K-NICマガジン

Creative Deeptech─クリエイティブディレクターからテック系起業への挑戦

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川崎市にある起業家支援拠点&コワーキングスペース・K-NICを利用しながら活躍されている起業家に、
起業までの軌跡やK-NICの便利な活用方法などをインタビューするシリーズ。

今回は、2022年度K-NIC Startup Hands on Programに採択された株式会社VVV須藤さんにインタビュー!
元々はクリエイティブ ディレクターだった須藤さんが、何故Deeptech系の起業をされたのかをお伺いしました。

起業家プロフィール

株式会社VVV 須藤紫音氏

高校卒業後、渡英。帰国後、複数の外資系アパレル企業にてマーケティング/ブランディング業務に携わる。出産を機に独立。デザインを中心に多業種のブランドサポート/プロジェクトマネジメントを行う。21年株式会社VVV設立。

受賞歴
プロジェクトマネジメントとして携わったNew Balance 六本木ミッドタウン店2018年 DSA日本空間デザイン賞] 金賞受賞、JCD デザインアワード 2018」金賞と西尾洋一賞(『Casa BRUTUS』編集長)を受賞

女性の健康課題を解決したい

事業について教えてください。

女性の健康課題を解決したいという想いから、月経に関するプロダクトの開発・製造をおこなっています。具体的には、竹の繊維をパッドの表面材に使った衛生用品の製造・輸入販売をしております。竹の繊維を使った衛生用品は国内ではほぼ初めての製品です。プロダクト本体から外装、パッケージまで97-99%(*)土にかえる生分解性素材でつくりました。(*製品により生分解性率は異なります。)

この事業は1ステップ目として取り組んでいる事業ですが、2ステップ目の事業として月経血を用いた検査パットを現在、研究開発しております。1ステップ目の竹素材のナプキンはサブスクリプションでの販売になりますが、検査パットがローンチされれば併せてサブスクリプションのサービスにのせたいと考えています。

スタートアップを起業したのはどうしてですか?
私はもともとクリエイティブディレクターとして様々な企業のブランディング・マーケティングに携わってきました。
3年前ほど前に、とある企業のコスメのプライベートブランド立ち上げを任されました。
飽和になっているコスメを考える中で、「私たち女性が本当に必要なものとは?」という問いを深堀しているときに浮上してきたのがコスメではなく、「衛生用品」でした。女性にとって必要不可欠なものであるにも関わらず、「仕方なく買っている」というところがあり、開発の余地があると思いました。
また、その頃携わっていた業界のプロモーション費用は、場合によっては、数週間で数千万~数億円でした。非常に早いスピード感で、作って終わって廃棄する、そういったプロジェクトをマネジメントしている中で、「もし、自分が同額のお金の使い方を提案できる立場であるならば、社会課題に繋がることがしたい」という想いがだんだん湧き上がってきたんです。同時に、調べれば調べるほど、現在市場にある衛生用品の課題が見えてきました。
「社会課題解決に関連する衛生用品をつくりたい」ーその想いから起業を志しました。
現在月経血を用いた検査パットの研究開発をしておりますが、もともと医療やサイエンスのバックグラウンドがあるわけではなかったので、リサーチ・理解力が圧倒的に足りませんでした。そこにかける時間がかなり必要でした。先のプロダクト(竹の繊維を活用したナプキン)のローンチと同時並行でしたので大変でしたね。

K-NIC Hands on Programについて

K-NIC Hands on Programで大変だったこと
ピッチデックの作成です。伝えたいことは山ほどありますが、何を絞り、何をピックアップすれば、多くの人に共感していただけるのかの選択が大きな課題でした。何度も作り直しましたね。
また研究計画書の作成も大変でした。これまで研究計画書なんて書いたことはなかったので、リサーチしてなんとか書きあげました。

K-NIC Hands on Programのメンターについて
武田SVにはポジティブなパワーに引っ張っていただきました。「あれもこれもやらなきゃ」という気持ちが強くなるとネガティブな気持ちになります。そんな中、武田SVには常に明るく前向きにアドバイスいただいたので、リサーチが多く大変でしたがポジティブに頑張れました。種市さんはVC目線でのアドバイスが非常に的確でした。「こういう情報を入れたほうがVCにはわかりやすい」などのアドバイスは大変ありがたかったです。K-NIC Hands on Programは2名のメンターがいますが、異なる角度から意見をいただけるのが良かったです。Demodayで、自分の言葉で想いを伝えられたという経験は自信にもなりました。

K-NIC Hands on Programに参加して変わったことはありましたか?
やるべきこと・目指すべきところが明確になりました。検査パットはもちろん、先行してローンチしたナプキンの販売についても協業他社のリサーチを徹底的にしたことで、自社の強みが明らかになりました。表に出していく、フォーカスするポイントが把握できました。

今後の展望

当社しかできないことをスピード感を持って実行するのが大事だと思っています。自分の強みであるCreativeを最大化していきたいなと思います。Creative Deeptechといいますか、柔軟な頭で取り組みたいですね。一方Deeptechのtechの部分がまだ足りていません。tech系に詳しい人材を採用してより事業を加速させていきたいです。

最後に一言

フェムテックエリアは女性でないと理解しにくいテーマです。なかなか男性には伝わりにくいところをどう伝えていくか。私たちが必要と思っていることは、おそらく今まで考えてこられなかったことなので、突き通していくべきことだと感じています。私たちならではの軸で事業を進めていきたいと思います。

<Limerime POPUP SHOP情報>
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